COLUMN

コラム

自分の言葉で発表する場の大切さ。
Show&Tellによる作品発表のススメ
【プログラミング教育のホントのところ】
宮島 衣瑛

2020/02/28

宮島 衣瑛

プログラミングとは本来創造的な活動です。創造的な活動をすると、新しい作品が生まれます。子どもたちがプログラミングをして作っているものは、紛れもない作品です。今回は作品をつくりっ放しにするのではなく、自分の言葉で発表する場の大切さについてお話しします。

Show&Tellとは

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Show&Tell(ショー・アンド・テル)をご存知でしょうか。アメリカやカナダの幼稚園から小学校で行われている、自分が好きなものや紹介したいものについて短い時間で発表をする、ショートプレゼンテーション活動です。幼少期から人前で話をすることによって、プレゼンテーション能力が高まったり、自己肯定感が高まるといった効果があります。また話を聞く姿勢なども、同時に身につくことを目的としています。

私が Show&Tell と出会ったのは、10年ほど前の ScratchDay Tokyo(Scratchの誕生日を祝うお祭り)でのことだったように記憶しています。当時中学生になったばかりくらいでしたが、多くの人の前で話をするのは、とても緊張したのを覚えています。しかし自分の作品について、聞いてくれる機会はとても嬉しく、いろいろな場面で積極的に話をするようになりました。

最近エンジニア界隈では、LT(Lightning Talk ライトニングトーク)と呼ばれるショートプレゼンテーションが流行っていますが、ある種似たようなものといえるでしょう。

大切なのは周りの環境

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Show&Tellで大切なことは「完成してなくてもかまわない」ということを、みんなが共有していることだと思います。子どもたちは(これは大人もそうですが)完成していないと発表してはいけないと思い込んでしまうフシがあります。しかし完成しているかしていないかは、あまり関係がなく、どういった思いで作っているか、どのような工夫をしているのか、という部分に注目すべきです。

私が当時通っていたLEGOスクール(ラーニングセンター新浦安)では、作品発表のときの指針として次のような項目を挙げていました。

・作品の名前, 説明
・おもしろかったこと、工夫したこと
・難しかったこと、苦労したこと
・時間があればやりたかったこと

慣れてきたらこのような指針など関係なく自分の言葉で発表できると思いますが、もし子どもたちがなにを話したらよいかわからなかったり戸惑っていたりしたら、こちらを参考にアレンジして使ってみてはいかがでしょうか。

また、プログラミングの作品であれば、どうやってその機能を作ったのか、といった中身の部分まで着目してあげることがポイントです。プログラム上の工夫点をうまく引き出すことは、司会やメンターの腕の見せ所です。

話を聞く側の態度も重要です。すべては伝え方の問題ですが、「もっとこうしたらよくなる」といった決めつけるような発言はあまり歓迎されません。否定ではなく提案になるような質疑応答になると、場が盛り上がります。過去には建設的な提案を受けてその場でライブコーディングして直してしまった子もいました。

Special Presentation Day

私が主宰している CoderDojo Kashiwa では、毎年1回 、Special Presentation Day という作品発表の場を用意しています。

2014年からこれまでに6回開催していますが、毎回とてもユニークな作品が発表されています。1年間の総まとめなので、きっちりと大作をつくってくる子もいれば、1-2週間でサクッとつくったものを発表する子もいます。でもそれでいいと、私は思っています。作品のクオリティに関係なく、自分が好きなものを発表することのほうが大切です。

Special Presentation Day では、メンターも作品を発表することがあります。普段は子どもたちのサポートをしているメンターが、本気を出したらこれくらいのものがつくれるということを見せています。こういった取り組みが、子どもたちの創造性を少しでも刺激することにつながれば最高です。

日々の活動の中でも、ミニ発表会をしています。今日1日で自分がやったことを発表し、仲間たちやメンターからアドバイスをもらったり感想を聞く場面です。このような積み重ねによって、大きな舞台でも堂々と発表できるようになるのだと思います。

最近では日本の学校でも、自分の意見や考えを人前で話す活動は盛んに行われています。ぜひこれをプログラミング教育の場面でも取り入れるべきです。発表は、以前紹介したCreative Learning Spiral(創造的な学びのスパイラル)にある“Share”および”Reflect”につながります。ただプログラミングをやってやりっぱなしにするのではなく、その次の“Imagine”につながるような展開を作りたいものです。

自分の言葉で発表する場の大切さ。Show&Tellによる作品発表のススメ【プログラミング教育のホントのところ】
宮島 衣瑛

2020/02/28

宮島 衣瑛

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